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ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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名前:
HIRANO Tomoki
職業:
大学院生
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琵琶湖博物館
『琵琶湖博物館研究調査報告』17号 pp.1-209 2000年

2000年2月に、アメリカから展示評価と来館者研究の講師(ブライアン・マクラーレン:コロラド大学自然史博物館、ロス・ルーミス:コロラド大学、ミンダ・ボーラン:フランクリン科学博物館)を招き、日本で先進的な試みをしている江戸東京博物館とも協力して、日本ではまだなじみのない博物館を評価する視点についてのワークショップとシンポジウムが行われた。その成果をまとめた報告書。
ワークショップは博物館関係者を対象に、琵琶湖博物館の展示でのトラッキング調査と改善提案、その効果の検討という、来館者調査と展示の企画段階評価(Formative Evaluation)に関するものであった。いつも展示という事業に携わっている博物館関係者であっても、ふだんやったことのない調査に戸惑い、試行錯誤しながらのワークショップだったという。今回の対象は博物館関係者だったが、これをうまく加工すれば、展示をどう見るか、どう見せるかの理解についての、来館者のミュージアム・リテラシーにもつなげる実践ができそうである。

展示評価の基本的な考え方は、展示という場を通して、博物館と来館者とのコミュニケーションを計ることができているのか、あるいは展示が博物館からのメッセージの伝達の場と考えるならば、そのメッセージを来館者に伝えることができているか、ということを調べ、その結果から改善の方法を探るということである。あくまで実践的な評価であって、来館者の動向を研究するための方法ではないとされている。
このような評価は展示というものを考え直すきっかけになると考えられる。展示は単に知識を伝える場でもなければ、楽しく遊ぶ場というだけでもない。一時的な楽しさだけが協調されるようでは、イベントのディスプレイと同じであるし、博物館からのメッセージなども必要ではない。博物館の展示においてもっとも大切なのはメッセージのないようであり、そのメッセージがどのように伝えることができているのかということが展示評価の内容である。pp.14
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