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ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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名前:
HIRANO Tomoki
職業:
大学院生
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C・G・スクリビン
ロバート・ヤコブソン編/篠原稔和監訳 食野雅子訳『情報デザイン原論』東京電機大学出版局pp.103-152
1999=2004年

博物館や美術館、ショッピングモールなど、利用者が自由に歩き回ることのできる情報空間のデザインについて、その特性から考えていく。学習環境としての博物館は、自由である分さまざまなマイナス要因が働いており、利用者の注意、学習への動機づけを阻害しかねない。展示という情報野の中には、さまざまなメッセージが含まれており、展示で伝えたいメッセージというのはその中のわずかな部分である。実際、博物館の展示のメッセージを正確に理解している利用者は少数でしかない。この困難さを克服し、博物館をよりよい学習環境にしていくためには、目的中心の情報デザインをする戦略が重要であると述べられる。目標を設定し、狭い情報野を歩き回るよう仕向けることで、学習のマイナス要素が軽減されるのである。
展示はコミュニケーション=情報の伝達であるという前提に立ち、そのデザインの必要性を述べているわけだが、展示全体で伝えたいものはあまりに大きく抽象的であるため、スモールステップでその目標に迫っていくというのは非常に合理的ではあるが、実際にそうデザインするのは難しそうだ。

なかでも、博物館のような公共的な場所における知識や概念の伝達はとくに難しい。これらの場でメッセージが伝達されるためには、「受け手」となるべき人々の自発的な努力が必要だが、その人たちの周りには注意をそらすものや他の選択肢がたくさんある。利用者が必ず注意を払う必要はなく、伝わってくるメッセージに注目するのも、これを無視するのも、また歪めるのも自由である。そのような状況では、受け手のニーズや正確に応えるだけでなく、彼らの注意を引き、引き留めておける情報システムをデザインすることが極めて重要である。pp.103
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