ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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HIRANO Tomoki
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大学院生
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ジョン・H・フォーク リン・D・ディアーキング/高橋純一訳
雄山閣 1992=1996年
来館者の博物館における体験を、3つのコンテキストからまるごと捉えようと試みた一冊。来館者一人ひとりの過去の経験、来館の理由を含む「個人的コンテキスト」、誰と来たか、あるいは集団としての行動に関わる「社会的コンテキスト」、そして博物館の空間それ自体を問題にする「物理的コンテキスト」の3つが重なり合ったところに、博物館の「ふれあい体験モデル(Interactive Experience Model)」があるとする。
博物館体験とは、博物館において来館者が経験するすべてのことに及んでいる。展示のみならず、トイレの場所、受付の人の親切さなどまで含んだすべてが、博物館体験となる。さまざまな実証研究から得られた知見をまとめ、徹底的に来館者中心の「博物館体験」を描き出している。
またこの本はカルチュラルスタディーズにおけるメディアのオーディエンス研究ともとれる。以下の「一般来館者の博物館体験」に関する9つの原則は、「博物館」と「来館者」を一般的な「メディア」と「オーディエンス」に置き換えても成立しそうだ。
1.個々の来館者は、それぞれ異なる方法で学習し、各自の持っている知識、経験、信念などのレンズを通して情報を解釈する。
2.すべての来館者は、博物館のメッセージを自分自身の理解や経験と一致するように個人化する。
3.すべての来館者は、自分自身のアジェンダと博物館に対する期待を盛ってやってくる。
4.多くの来館者が、他の人といっしょに(集団で)博物館を訪れるので、彼らが見たり行ったり記憶したりすることは集団によって媒介される。
5.来館者の博物館における体験には、解説員も警備員も売店業者も他の来館者も含まれる。
6.博物館には日常の経験では接することのできない物があるから、人々は博物館に引き付けられる。来館者はさまざまな方法でそれを「見に」来るのである。
7.来館者は、建築、雰囲気、臭い、音、感触等、博物館の物理的側面に強く影響される。
8.来館者はたくさんの体験に出会い、その中から小数のみを選択する。
9.来館者の注目は、展示の位置と館内の配置によって強く影響される。pp. 155-172
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