ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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HIRANO Tomoki
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大学院生
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松岡葉月 安達文夫
『情報処理学会研究報告』2006-CH-70 pp.45~52 2006年
歴史展示と来館者の関わり方を明らかにするため、教員向けの「私の歴博ガイドブック」という学習プログラムを利用して調査し、量的分析を行った。「歴博ガイドブック」では、1時間の間に被験者一人ひとりが作品を選び、作品の解説、どうしてそれを選んだかの説明などをワークシートに記入した。ここでのワークシートの作り方を展示との関わり方としたとき、I.受動的/II.能動的、A.思考的/B.情緒的、a.主観的/b.一般的の3つの関わり方の組み合わせで、合計8通りの関わりの型が見られ、それは被験者の中で固定的であることが分かった。
『情報処理学会研究報告』2006-CH-70 pp.45~52 2006年
歴史展示と来館者の関わり方を明らかにするため、教員向けの「私の歴博ガイドブック」という学習プログラムを利用して調査し、量的分析を行った。「歴博ガイドブック」では、1時間の間に被験者一人ひとりが作品を選び、作品の解説、どうしてそれを選んだかの説明などをワークシートに記入した。ここでのワークシートの作り方を展示との関わり方としたとき、I.受動的/II.能動的、A.思考的/B.情緒的、a.主観的/b.一般的の3つの関わり方の組み合わせで、合計8通りの関わりの型が見られ、それは被験者の中で固定的であることが分かった。
これまでには、展示を作る側の意図がどのように伝わるかという点から、利用者の展示内容の理解度をどう図るかについては研究が成されているが、利用者が展示とどのように関わるか、つまり、展示を作る側の意図が伝わっているか否かではなく、利用者が展示物から発信される情報をどのように受け取るかに関しては評価方法が確立されていない。pp.46
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長谷川賢二
『歴史評論』pp.24~35 2000年
日本において圧倒的多数を占める公立博物館の問題について、部落問題の展示の例を採り上げて語られる。公立館は行政機関として公平・中立が求められるため、歴史観や政治的立場などに関して難しい問題が起こる。そんな中でも、部落問題を扱った企画展を開催し、歴史展示の可能性を拓くことができた。公立館で質の高い歴史展示を行えるかは、究極的には学芸員の資質の問題だという。
ものを中心とした歴史叙述は難しい。歴史学のテーマは抽象的なものが多く、ものだけでは語りきれないことも多い。しかし、とにかく展示を重ねていくことが、より幅広い歴史展示の可能性につながるのである。
『歴史評論』pp.24~35 2000年
日本において圧倒的多数を占める公立博物館の問題について、部落問題の展示の例を採り上げて語られる。公立館は行政機関として公平・中立が求められるため、歴史観や政治的立場などに関して難しい問題が起こる。そんな中でも、部落問題を扱った企画展を開催し、歴史展示の可能性を拓くことができた。公立館で質の高い歴史展示を行えるかは、究極的には学芸員の資質の問題だという。
ものを中心とした歴史叙述は難しい。歴史学のテーマは抽象的なものが多く、ものだけでは語りきれないことも多い。しかし、とにかく展示を重ねていくことが、より幅広い歴史展示の可能性につながるのである。
『歴史評論』526 pp.2~69 1994年
博物館と歴史教育について、博物館の側からではなく、歴史学の観点からさまざまな論者が論じた特集記事。
歴史の展示を歴史学の中で捉えるとき、展示はものを介して「歴史」という大きな漠然としたものを伝えなければならない。それは一種の〈叙述〉であり、展示の意味を読み取るのは来館者にとって非常に難しい、スキルを要することなのである。
博物館と歴史教育について、博物館の側からではなく、歴史学の観点からさまざまな論者が論じた特集記事。
深谷克己「歴史の展示の意味を考える」
黒田日出夫「展示という〈叙述〉の条件」
十菱駿武「考古学研究と展示」
新井勝紘「近代史研究と博物館展示」
井口和起「現代史研究と展示」
君塚仁彦「博物館展示と『表現の自由』『見ることの自由』」
「江戸東京博物館で考える」
歴史の展示を歴史学の中で捉えるとき、展示はものを介して「歴史」という大きな漠然としたものを伝えなければならない。それは一種の〈叙述〉であり、展示の意味を読み取るのは来館者にとって非常に難しい、スキルを要することなのである。
武知秀樹
『中国四国教育学会教育学研究紀要』48(2) pp.162-167 2002年
広島県立歴史博物館の中世歴史展示(草戸千軒町)を社会化教育の教材とみなし、そこから問題点を抽出し、改善案として来館者が自ら問いを見つけることができるハンズ・オン展示を提案している。歴史博物館の展示の課題は、現代に使う道具と比較しながら見学するため、現代との比較をするだけで認識形成が止まってしまうという点が挙げられている。そこで、一般的な中世のイメージの転換を図る参加体験型の展示を作るという方向性で展示案が提案される。
歴史展示を社会化教育の教材とみなすことがどれくらい有効かは分からないが(この改善案が実際やってみてどうだったのかについては書かれていない)、歴史認識を形成する場として博物館を改善するという問題意識は同意できる。
『中国四国教育学会教育学研究紀要』48(2) pp.162-167 2002年
広島県立歴史博物館の中世歴史展示(草戸千軒町)を社会化教育の教材とみなし、そこから問題点を抽出し、改善案として来館者が自ら問いを見つけることができるハンズ・オン展示を提案している。歴史博物館の展示の課題は、現代に使う道具と比較しながら見学するため、現代との比較をするだけで認識形成が止まってしまうという点が挙げられている。そこで、一般的な中世のイメージの転換を図る参加体験型の展示を作るという方向性で展示案が提案される。
歴史展示を社会化教育の教材とみなすことがどれくらい有効かは分からないが(この改善案が実際やってみてどうだったのかについては書かれていない)、歴史認識を形成する場として博物館を改善するという問題意識は同意できる。
母利美和
『日本史研究(499) pp.41-61 2004年3月
滋賀県の歴史系博物館の、(1)地域博物館としての活動(2)学芸員の現状(3)大学との連携について各館に対して行ったアンケートの結果から、歴史教育の場としての博物館の現状を考える。地域博物館は地域に根ざし、郷土の歴史を作り上げていく、新しい歴史系博物館の形として捉えられる。しかし、学芸員の人員不足や資質不足、大学などの研究機関との連携の難しさから、なかなかうまくは行っていないのが実際のところのようだ。
『日本史研究(499) pp.41-61 2004年3月
滋賀県の歴史系博物館の、(1)地域博物館としての活動(2)学芸員の現状(3)大学との連携について各館に対して行ったアンケートの結果から、歴史教育の場としての博物館の現状を考える。地域博物館は地域に根ざし、郷土の歴史を作り上げていく、新しい歴史系博物館の形として捉えられる。しかし、学芸員の人員不足や資質不足、大学などの研究機関との連携の難しさから、なかなかうまくは行っていないのが実際のところのようだ。
[…]現代の博物館に求められる歴史教育は、博物館(学芸員)から市民への啓蒙という一方向ではなく、博物館(学芸員)と市民の双方向の対話による歴史教育と想定される。すなわち、「歴史の生産者」は研究者や学芸員だけではなく、博物館における歴史研究に市民が参加し、あるいは市民が自発的に課題を設定し、アマチュアとして「歴史の生産者」となりうる環境を備えた空間(場所)と機能を持つものこそが、現代に求められる地域における博物館像といえよう。pp.43-44