ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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HIRANO Tomoki
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大学院生
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石川浩司 奥田宗幸 笹栗和幸
『学術講演梗概集. E-1, 建築計画I, 各種建物・地域施設, 設計方法, 構法計画, 人間工学, 計画基礎』1996 pp.633-634 1996年
美術館の展示室の空間で、ある部屋から次の部屋に進むときの「空間接続」を記述し、空間構成要素と人間の視線の動きから調査することで、空間接続・構成の視知覚得性を探る。被験者4人に指定した導線を歩いてもらい、注視したものの方向・対象物・行動の変化点を発言してもらった。その結果、空間接続にいくつかのパターンを見いだすことができた。場面展開で生じる空間接続のズレが、次空間への意識に影響することがわかった。
視覚に着目して展示室の中を歩かせ、環境とのインタラクションのようなものを明らかにするという手法は面白いが、このような制限された環境で人は展示を見ているわけではない。展示室内の経験を丸ごと捉えることはできるのだろうか。
『学術講演梗概集. E-1, 建築計画I, 各種建物・地域施設, 設計方法, 構法計画, 人間工学, 計画基礎』1996 pp.633-634 1996年
美術館の展示室の空間で、ある部屋から次の部屋に進むときの「空間接続」を記述し、空間構成要素と人間の視線の動きから調査することで、空間接続・構成の視知覚得性を探る。被験者4人に指定した導線を歩いてもらい、注視したものの方向・対象物・行動の変化点を発言してもらった。その結果、空間接続にいくつかのパターンを見いだすことができた。場面展開で生じる空間接続のズレが、次空間への意識に影響することがわかった。
視覚に着目して展示室の中を歩かせ、環境とのインタラクションのようなものを明らかにするという手法は面白いが、このような制限された環境で人は展示を見ているわけではない。展示室内の経験を丸ごと捉えることはできるのだろうか。
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湯川進 柳沢忠
『学術講演梗概集. E, 建築計画, 農村計画』1992 pp.473-474 1992年
名古屋市科学館理工館4階「物質と材料」の展示室で、来館者がどんな展示を面白いと思うか、どんな展示手法を望んでいるかのアンケート調査、VTRによる室への出入り調査、展示に対する人の動線調査を行い、よりよい展示手法を探る。その結果、操作ができて動きがあるなど、来館者の望む展示の特徴が明らかになった。
『学術講演梗概集. E, 建築計画, 農村計画』1992 pp.473-474 1992年
名古屋市科学館理工館4階「物質と材料」の展示室で、来館者がどんな展示を面白いと思うか、どんな展示手法を望んでいるかのアンケート調査、VTRによる室への出入り調査、展示に対する人の動線調査を行い、よりよい展示手法を探る。その結果、操作ができて動きがあるなど、来館者の望む展示の特徴が明らかになった。
(1)来館者が望む展示手法は操作が出来、動きのある展示ということになるが評価との相関係数は低い
(2)触れる展示は子どもより親に望まれている。
(3)映像展示に対する要望は他の展示手法に対して低い。
(4)展示手法の違いによる展示品に対する人の動きに違いを把握。
(5)正面から展示品の前のエリアに近寄るときは側方からの場合に比べて通り過ぎる数が少ないことpp.474
長谷川賢二
『歴史評論』pp.24~35 2000年
日本において圧倒的多数を占める公立博物館の問題について、部落問題の展示の例を採り上げて語られる。公立館は行政機関として公平・中立が求められるため、歴史観や政治的立場などに関して難しい問題が起こる。そんな中でも、部落問題を扱った企画展を開催し、歴史展示の可能性を拓くことができた。公立館で質の高い歴史展示を行えるかは、究極的には学芸員の資質の問題だという。
ものを中心とした歴史叙述は難しい。歴史学のテーマは抽象的なものが多く、ものだけでは語りきれないことも多い。しかし、とにかく展示を重ねていくことが、より幅広い歴史展示の可能性につながるのである。
『歴史評論』pp.24~35 2000年
日本において圧倒的多数を占める公立博物館の問題について、部落問題の展示の例を採り上げて語られる。公立館は行政機関として公平・中立が求められるため、歴史観や政治的立場などに関して難しい問題が起こる。そんな中でも、部落問題を扱った企画展を開催し、歴史展示の可能性を拓くことができた。公立館で質の高い歴史展示を行えるかは、究極的には学芸員の資質の問題だという。
ものを中心とした歴史叙述は難しい。歴史学のテーマは抽象的なものが多く、ものだけでは語りきれないことも多い。しかし、とにかく展示を重ねていくことが、より幅広い歴史展示の可能性につながるのである。
『歴史評論』526 pp.2~69 1994年
博物館と歴史教育について、博物館の側からではなく、歴史学の観点からさまざまな論者が論じた特集記事。
歴史の展示を歴史学の中で捉えるとき、展示はものを介して「歴史」という大きな漠然としたものを伝えなければならない。それは一種の〈叙述〉であり、展示の意味を読み取るのは来館者にとって非常に難しい、スキルを要することなのである。
博物館と歴史教育について、博物館の側からではなく、歴史学の観点からさまざまな論者が論じた特集記事。
深谷克己「歴史の展示の意味を考える」
黒田日出夫「展示という〈叙述〉の条件」
十菱駿武「考古学研究と展示」
新井勝紘「近代史研究と博物館展示」
井口和起「現代史研究と展示」
君塚仁彦「博物館展示と『表現の自由』『見ることの自由』」
「江戸東京博物館で考える」
歴史の展示を歴史学の中で捉えるとき、展示はものを介して「歴史」という大きな漠然としたものを伝えなければならない。それは一種の〈叙述〉であり、展示の意味を読み取るのは来館者にとって非常に難しい、スキルを要することなのである。
山田茂樹 川上紳一
『岐阜大学教育学部研究報告 自然科学』30 pp.65-76 2006年
中学校3年生の理科の授業で、岐阜県博物館と関市市民プラネタリウムを活用した授業実践の記録。理科学習との関連性を明確にすること、「見る」だけではなく「考える」学習スタイルへ移行すること、博物館の設備や人材をうまく利用する態度を育成することなどが目指された。事前アンケートではあまり博物館に行かない生徒が多かったが、事後アンケートでは、多くの生徒が今回の学習は自分のためになったとした。
目指されたものが本当に達成されたかどうかは置いても、ここで目指されたことは博物館にとっても科学教育にとっても非常に重要なことであった。理科学習との関連性を見いだし、「見る」だけでなく「考える」など、博物館を利用するに当たってポイントとなる事項である。この実践で意図されていたのは、博物館に関する学び方の学びの支援であった、と言うことができるだろうか。
『岐阜大学教育学部研究報告 自然科学』30 pp.65-76 2006年
中学校3年生の理科の授業で、岐阜県博物館と関市市民プラネタリウムを活用した授業実践の記録。理科学習との関連性を明確にすること、「見る」だけではなく「考える」学習スタイルへ移行すること、博物館の設備や人材をうまく利用する態度を育成することなどが目指された。事前アンケートではあまり博物館に行かない生徒が多かったが、事後アンケートでは、多くの生徒が今回の学習は自分のためになったとした。
目指されたものが本当に達成されたかどうかは置いても、ここで目指されたことは博物館にとっても科学教育にとっても非常に重要なことであった。理科学習との関連性を見いだし、「見る」だけでなく「考える」など、博物館を利用するに当たってポイントとなる事項である。この実践で意図されていたのは、博物館に関する学び方の学びの支援であった、と言うことができるだろうか。
野外観察では、常に「五感を使って調べる」など自然を調べる能力や態度を育成していくことが必要であり、知識注入ではなく、「よく観て考える」「仲間と議論してこたえを創り出す」学習スタイルへの移行が「生きる力」を育むことにつながるといえそうである。また、博物館等の施設は、中学生になるほどその活用が少なくなる傾向があるが、義務教育を終える中学3年生だからこそ、博物館等を利用して「総合的なものの見方」ができるものであると期待される。pp.75