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ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
Profile
名前:
HIRANO Tomoki
職業:
大学院生
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森田利仁
『地學雜誌』107(6) pp.862-871 1998年

科学教育の場としての自然史博物館の展示について、その問題点を辛辣に述べる。展示の形式主義、研究分野の形骸化などが語られ、学芸員が業務としてルーティン的に展示を構成し、日本中どこでも似通った展示になってしまっていること、研究成果の保証を大学のような他の研究機関に頼りすぎていることを批判する。そして、現在の日本の博物館にはトップがいないが、実行力のあるトップ(館長)を置くことで、問題の解決の糸口が見えるかもしれないという可能性を提示している。
最終的にマネジメントの話になってしまっているが、博物館を科学教育の場として捉えるということは、博物館の展示は科学という曖昧模糊としたものを伝えなければならないことを意味し、非常に難しい。

[…]自然史博物館は、1)現在の自然史科学の現状を正しく伝えること、2)その未解明の部分に興味をもってもらい、自然史の発展に寄与するような人材を育てること、3)自然史を通して科学的に物を捉え考える姿勢を育むこと、という重い責任を負うているということができる。pp.863
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山田茂樹 川上紳一
『岐阜大学教育学部研究報告 自然科学』30 pp.65-76 2006年

中学校3年生の理科の授業で、岐阜県博物館と関市市民プラネタリウムを活用した授業実践の記録。理科学習との関連性を明確にすること、「見る」だけではなく「考える」学習スタイルへ移行すること、博物館の設備や人材をうまく利用する態度を育成することなどが目指された。事前アンケートではあまり博物館に行かない生徒が多かったが、事後アンケートでは、多くの生徒が今回の学習は自分のためになったとした。
目指されたものが本当に達成されたかどうかは置いても、ここで目指されたことは博物館にとっても科学教育にとっても非常に重要なことであった。理科学習との関連性を見いだし、「見る」だけでなく「考える」など、博物館を利用するに当たってポイントとなる事項である。この実践で意図されていたのは、博物館に関する学び方の学びの支援であった、と言うことができるだろうか。

野外観察では、常に「五感を使って調べる」など自然を調べる能力や態度を育成していくことが必要であり、知識注入ではなく、「よく観て考える」「仲間と議論してこたえを創り出す」学習スタイルへの移行が「生きる力」を育むことにつながるといえそうである。また、博物館等の施設は、中学生になるほどその活用が少なくなる傾向があるが、義務教育を終える中学3年生だからこそ、博物館等を利用して「総合的なものの見方」ができるものであると期待される。pp.75
松本栄寿
『電気学会誌』122(7) 2002年

科学技術博物館の歴史をひも解きながら、その背景、ストーリー、展示思想の変遷を見ていく。科学技術博物館は、貴重なコレクションが並ぶ「キャビネット」、技術の進歩を示す「科学技術史」、参加体験型の「サイエンスセンター」の3種に大別され、とくに科学技術史は発達史を展示する「インターナリストヒストリー」と、技術と社会とのかかわりを示す「エクスターナリストヒストリー」に分けられる。
オックスフォード科学史博物館やスミソニアンなど具体的な博物館を紹介しながら、科学技術博物館を系統立てて整理することに成功している。展示思想の移り変わりは、科学技術博物館に求められるものの変化を示しているといえるだろうか。

インターナリストヒストリーからエクスターナリストヒストリーへとひも解くと、研究対象が「モノから人へ社会へ」と移り広がる。展示内容も多様化し変わっている。「研究に基づく博物館展示をよく見て頂きたい」、そこから技術の根源も、技術の動機も、技術者の生きた道も、技術への反省も、技術倫理も学び取ることができる。pp.436
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