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ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
Profile
名前:
HIRANO Tomoki
職業:
大学院生
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河野美津子 佐藤隆二
『学術講演梗概集. D-1, 環境工学I, 室内音響・音環境, 騒音・固体音, 環境振動, 光・色, 給排水・水環境, 都市設備・環境管理, 環境心理生理, 環境設計, 電磁環境』1998 pp.361-362 1998年

美術館の展示室の視環境、すなわち、展示品の見え方や空間構成などについての調査研究から、美術鑑賞における評価を考える。美術館への来館頻度の異なる被験者5人に、主に3つの大きな項目に回答させた。項目は、「室の大きさ・空間構成」「室の仕上げ」「室の照明状況」である。
視環境という側面から展示室の中を見るという試みが面白い。たしかに来館者はそれぞれの作品を見に美術館に来ている場合が多いが、それ以外にもさまざまなものを見ているはずである。見るという行為を規定する環境の整備は重要であろう。

[…]いかに素晴らしい展示品と企画でも、展示品の見え方に不満を感じ、結果として展覧会全体に対して不満が残る場合が少なくない。これは、鑑賞者にとって適切な視環境が形成されていないことにその原因があるように思われ、不満の解消のために端環境に対する評価法の確立が必要となる。pp.361
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加野隆司 松本啓俊
『日本建築学会計画系論文報告集』454 1993年

博物館における鑑賞者のさまざまな鑑賞行動に適合した展示空間を作るための建築計画に関する論文。まず博物館の展示室の平面構成をモデル化し、その後、仙台市博物館での来館者アンケート調査やトラッキング分析により鑑賞行動と空間の相互作用を分析した。その結果、ツリー状の展示レイアウトにし、入口で展示全体のスペースを見渡せること、鑑賞者が立ち止まれるような“たまり”が必要なことが分かった。
空間の構成・レイアウトという側面から博物館の展示を見るという視点は面白いかもしれない。そこに、博物館の展示で来館者がどう振る舞うべきかについて、重視されているものが見えてくるのではないか。
『ミュージアム・マガジン・ドーム』60 pp.13~20 2002年2月

博多の商業施設「博多リバレイン」の7階と8階にある市立福岡アジア美術館(アジ美)は、開館している場所からして普通のミュージアムと違う。このアジ美の活動の柱は、「交流」であるという。上から視点の「教育普及」という言葉をあえて使わず、積極的に街や学校に出かけていく。
アジ美という美術館の魅力を非常に良く捉えている雑誌記事。日々是ワークショップなアジ美は、「存在自体がファシリテーターといえる」(pp.17)という。アジ美は、人と人をつなぐフォーラム(ひろば)のような場所であり、これが新しいミュージアムの形といえるのかもしれない。
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