ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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HIRANO Tomoki
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大学院生
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杉浦幸子
岡部あおみ編『ミュゼオロジー実践篇-ミュージアムの世界へ』pp. 126-136
武蔵野美術大学出版局 2003年
ミュージアムにおける学びを、〈もの〉〈ひと〉〈場〉という3つの要素から考える。学びとは、ひとが何らかの刺激・情報を受けることであるという。あらゆる場所が学びの環境となりうる。ミュージアムは、人々の学習支援の場所なのである。
彼女は、ミュージアムの学びの特徴を4つの要素にまとめている。
1.視覚による学び
2.年齢を限らない、自由な学び
3.正解を求めない学び
4.自発性な学び
視覚による学びは視聴覚の考え方に、自由で正解を求めない学びはアメリア・アレナスの鑑賞教育の考え方に近いものがある。彼女の出自が美術系であるため、美術館が前提にされているように思えるが、ミュージアムの学びの自由さについては、たしかにその通りであると思う。
上で述べたように、〈もの〉はさまざまな情報を発している。しかし、その情報の解釈は見る側に委ねられている。赤い色を見て「熱い」と感じる人もいれば、「強い」と感じたり、「寂しい」と感じる人もいるだろう。また「りんご」を思い出したり、「夕日」を思い出す人もいるだろう。そうしたそれぞれの解釈や思いに、正解や優劣はない。
つまり、同じ〈もの〉を見ても、1歳の人は1年分の経験で、100歳の人は100年分の経験で、それぞれに解釈することが許されるのである。pp. 130
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伊藤博
『日本ミュージアム・マネジメント学会研究紀要』第9号 pp. 49-55 2005年
学校における体験学習として行われる従来の博物館見学では、学習者は博物館での体験を学びへと深化させることができない。著者はその原因を、博物館を訪れる目的が学習者にとってあいまいであるからだとし、適切な事前学習によって博物館体験をより実りある学びへと深化させることを試みている。
この調査は、神戸の公立中学校の1年生が科学系博物館を見学する前に、道徳や特別活動の時間を利用しして「生命」に関する学習を行った。博物館見学の事前と事後に、学習者が博物館をどう捉えているのかについての意識をアンケートとヒアリングにより調べ、その意識の変容を押さえようとした。その結果、事前学習をした生徒は博物館においてより積極的に学習できるようになることがわかった。
実践研究としての位置づけが大きく、対象群との比較なども行っていないため、このプログラムが一般性を持つかどうかは分からないが、明確な目的意識を持って博物館へ行くことの重要性が、この調査から明らかになったといえる。
『日本ミュージアム・マネジメント学会研究紀要』第9号 pp. 49-55 2005年
学校における体験学習として行われる従来の博物館見学では、学習者は博物館での体験を学びへと深化させることができない。著者はその原因を、博物館を訪れる目的が学習者にとってあいまいであるからだとし、適切な事前学習によって博物館体験をより実りある学びへと深化させることを試みている。
この調査は、神戸の公立中学校の1年生が科学系博物館を見学する前に、道徳や特別活動の時間を利用しして「生命」に関する学習を行った。博物館見学の事前と事後に、学習者が博物館をどう捉えているのかについての意識をアンケートとヒアリングにより調べ、その意識の変容を押さえようとした。その結果、事前学習をした生徒は博物館においてより積極的に学習できるようになることがわかった。
実践研究としての位置づけが大きく、対象群との比較なども行っていないため、このプログラムが一般性を持つかどうかは分からないが、明確な目的意識を持って博物館へ行くことの重要性が、この調査から明らかになったといえる。