ミュージアムにおける学びとリテラシーについて
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HIRANO Tomoki
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大学院生
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Miles, R.S. (1986). Museum Audiences. International Journal of Museum Management and Curatorship 5 pp.73-80
ミュージアムにおける教育活動について理解するため、ミュージアムのオーディエンスを、
Actual Audience(実際のオーディエンス)
Potential Audience(潜在的なオーディエンス)
Target Audience(ターゲットとなるオーディエンス)
の三種類に分類する。ミュージアムを学びの場として位置づけるScholarly Perception(学問的解釈)だけではTarget Audienceは狭く捉えられたままである。ミュージアムを楽しみの場として位置づけるVisitor Perception(来館者の解釈)も一緒に考慮されなければならない。
ミュージアムのオーディエンスの分類はとても分かりやすく、オーディエンスが多層的な存在であることを図式的に示すことができている。ミュージアムはそのTarget Audienceを拡げていくことが望まれるのである。このモデルはミュージアム・マネジメントにおける鑑賞者開発に適用できそうである。
ミュージアムにおける教育活動について理解するため、ミュージアムのオーディエンスを、
Actual Audience(実際のオーディエンス)
Potential Audience(潜在的なオーディエンス)
Target Audience(ターゲットとなるオーディエンス)
の三種類に分類する。ミュージアムを学びの場として位置づけるScholarly Perception(学問的解釈)だけではTarget Audienceは狭く捉えられたままである。ミュージアムを楽しみの場として位置づけるVisitor Perception(来館者の解釈)も一緒に考慮されなければならない。
ミュージアムのオーディエンスの分類はとても分かりやすく、オーディエンスが多層的な存在であることを図式的に示すことができている。ミュージアムはそのTarget Audienceを拡げていくことが望まれるのである。このモデルはミュージアム・マネジメントにおける鑑賞者開発に適用できそうである。
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奥本素子
『日本ミュージアム・マネージメント学会会報』10(1) pp.14~17 2005年
最近流行の「教育普及」とは違う方向での博物館の「普及活動」として、イギリスなどで採り上げられている「鑑賞者開発」(Audience Development)を紹介し、日本における「鑑賞者開発」の可能性について述べる。
ここでは、若者、高齢者、障がい者、外国人が挙げられ、物理的障害/精神的障害それぞれに対するアプローチの仕方が提案されている。普及といえば、既に博物館を訪れている来館者に対する教育普及というふうになりがちだが、ミュージアム・マネージメントにとっては、このような活動のほうが重要なのかもしれない。
『日本ミュージアム・マネージメント学会会報』10(1) pp.14~17 2005年
最近流行の「教育普及」とは違う方向での博物館の「普及活動」として、イギリスなどで採り上げられている「鑑賞者開発」(Audience Development)を紹介し、日本における「鑑賞者開発」の可能性について述べる。
ここでは、若者、高齢者、障がい者、外国人が挙げられ、物理的障害/精神的障害それぞれに対するアプローチの仕方が提案されている。普及といえば、既に博物館を訪れている来館者に対する教育普及というふうになりがちだが、ミュージアム・マネージメントにとっては、このような活動のほうが重要なのかもしれない。
鑑賞者開発は潜在的来館者(何らかの事情で現在博物館を訪れていない人々)の非来館理由を明らかにし、その障害を取り除いたり、現在訪れている来館者の博物館体験を豊かにしたりすることで再来館を促したりする、来館者増加のための戦略である。なぜこのような戦略が取り入れられたかというと、博物館を訪れない理由は多様であるという認識と、美術館や博物館にはまだまだ潜在的鑑賞者を多く抱えており、民主主義や公共サービスの観点から考えると積極的にこれら鑑賞者に働きかけなければいけないという背景がある。pp.14
森美樹 小川義和 土屋順子 鈴木和博
『日本ミュージアム・マネジメント学会研究紀要』第9号 pp. 77-87 2005年
ミュージアムを考えるときには、ミュージアムの来館者だけでなく、ミュージアムに一度しか来たことがない人、あるいは全く来たことがない人のことを考えに入れる必要がある。この論文は、このような「潜在的利用者」に対して、マーケティング的な戦略をとることで多様なニーズを持つ人々にアプローチする方法を探っている。
この調査はインターネット調査サービスを利用し、登録会員約2000人から回答を得た。まずフェイズ1でオフタイムの過ごし方と科学への興味を尋ね、フェイズ2では国立科学博物館の来館経験と認知度、イメージなどを尋ねた。その結果、かつて来館したが気持ちが遠ざかっている人は、「堅苦しいとか難しいというイメージ」「特に目新しい情報との出会いがない」などの意見が見られた。また、科学博物館に行ったことのない人は、認知的な側面で来館を阻害されている(要するに「情報を知らない」)部分が多くを占めた。これは、博物館の認知を高め、イメージを改善することで利用者になりそうな人が多くいることを示している。
来館の阻害要因という考え方は、潜在的利用者の開拓、博物館における学びの支援にも逆にうまくつながる。
『日本ミュージアム・マネジメント学会研究紀要』第9号 pp. 77-87 2005年
ミュージアムを考えるときには、ミュージアムの来館者だけでなく、ミュージアムに一度しか来たことがない人、あるいは全く来たことがない人のことを考えに入れる必要がある。この論文は、このような「潜在的利用者」に対して、マーケティング的な戦略をとることで多様なニーズを持つ人々にアプローチする方法を探っている。
この調査はインターネット調査サービスを利用し、登録会員約2000人から回答を得た。まずフェイズ1でオフタイムの過ごし方と科学への興味を尋ね、フェイズ2では国立科学博物館の来館経験と認知度、イメージなどを尋ねた。その結果、かつて来館したが気持ちが遠ざかっている人は、「堅苦しいとか難しいというイメージ」「特に目新しい情報との出会いがない」などの意見が見られた。また、科学博物館に行ったことのない人は、認知的な側面で来館を阻害されている(要するに「情報を知らない」)部分が多くを占めた。これは、博物館の認知を高め、イメージを改善することで利用者になりそうな人が多くいることを示している。
来館の阻害要因という考え方は、潜在的利用者の開拓、博物館における学びの支援にも逆にうまくつながる。
認知的(cognitive)側面での要因:
存在を知られているかどうか
広報宣伝は効果的に行き届いているか
情意的(affective)側面での要因:
興味・関心をひいているか
好きか、親しみやすいか
能動的(conative)側面での要因:
行動に結びつきやすいかどうか
(時間、距離、価格など)pp. 84